田口八重子さん拉致40年=長男耕一郎さん「あるべき時間取り戻す」

拉致被害者田口八重子さん=拉致当時(22)=が1978年に北朝鮮に連れ去られてから40年が過ぎた。

長男の飯塚耕一郎さん(41)は、老いに直面しながら妹の奪還に心血を注ぐ「おやじ」のためにも、一刻も早い救出を訴え続ける。

耕一郎さんが公の場に出て活動を始めたのは、拉致被害者5人が帰国を果たした2年後の2004年2月。「すぐに(事態が)進むんじゃないかという期待感があった」と振り返るが、そこから既に15年近くたった。「解決に本気でない日本の行動や態度が、幕引きを図る北朝鮮を許してきた部分がある」と、政府のこれまでの対応を疑問視する。


母の失踪時に1歳だった耕一郎さんにとって、育て上げてもらった田口さんの兄、飯塚繁雄さん(80)が「おやじ」だ。記憶にない実母は「八重子さん」「彼女」と呼ぶ。つながりを示すものは、一緒に写った幼い日の写真などわずかだ。

田口さんが教育係を務めたとされる北朝鮮元工作員の金賢姫氏と会い、人柄などを尋ねたこともあったが、「母親という感覚が湧き出るかというとそうでもないし、どれだけ捜してもやっぱり届かない。おやじの妹を救出するという感覚の方が強い」
病気で健康を崩している繁雄さんは、拉致被害者家族会の代表を長年務め、疲労も色濃い。「助けてあげられなくてごめんなさい」。今年6月に開かれた記者会見の席上、田口さんに掛けたい言葉を問われた繁雄さんは、顔をゆがめて答えた。

「同じ思いですよ。彼女の立場では何もできない。日本にいる人間が救わないといけないけど、全然動けていない」と耕一郎さん。繁雄さんには「これから先、重要なタイミングが出てくるから、それまで体力を温存して」と伝えているという。

「お互い健康で会わないと本当の解決にならない。家族として本来あるべきだった時間を1分でも1秒でも取り戻すことが重要。だからこそ、今じゃないと」と力を込めた。

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