パソコン黎明期に爆発的な人気を博した不朽の名機『PC-8001』

現代の様にインターネットが普及していなかった1970~80年代。

家庭の娯楽の中心は、ラジオ、そしてテレビでした。これらの機器は、技術の進歩に伴い、小型軽量化と複合化が図られ、ついにはラジオ・テレビ・カセットレコーダーの一体型オーディオである「ラテカセ」が発売された件については、以前、本誌記事でも、詳しくご紹介致しました。

あの頃これが欲しかった!PDAの代名詞、シャープ『ザウルス PI-3000』

その後、コンピューターの世界でも、小型軽量化が図られるようになって来て、一般向けのマイクロ・コンピューターが、各社から続々と発表され、個人でも入手出来る価格帯になると、マイコンを嗜む(たしなむ)層も徐々に増えて来ました。

まず最初に、初めての個人向けのマイコンとして、「MITS Altair 8800」が登場。皆、スイッチをパチパチしながら機械語のプログラムを熱心に入力していました。

その後、日本初のワンボードマイコン「NEC TK-80」が登場。トレーニングキットとして発売されたので、皆、パーツをハンダ付けして、一生懸命マシンを組み立てていました。当時はマイコンといえば半完成品のセミキットが当たり前の時代だったのです。

その後、マイコンは完成品で販売される様になり、キーボード一体型の商品も作られる様になりました。コモドールから一体型の機種が発表されたのち、1979年…。ついに、国内でも、完成品の一体型マイコンが発表されるに至ったのです。

その機種こそが…「NEC PC-8001」なのです!

NEC PC-8001は、本体にキーボードが一体化され、プリンタ・カセット・ディスプレイのインターフェースまで内蔵されている、日本で初めて「パーソナル・コンピューター(PC)」と呼ばれる機種となったのです。

当時白黒の画面表示が当たり前だった時代に、8色のカラー表示を実現しただけでなく、160×100ドットのセミグラフィック表示も可能となりました。サウンドはBEEP音のみでしたが、のちに高速でオンオフを切り替える事で、疑似的に音楽を鳴らすプログラムも発表されたりもしました。

仕様:
PC-8000シリーズ
CPU μPD780C-1(Z80-A互換)4MHz
ROM 24KB(最大32KB)
RAM 16KB(最大160KB)
テキスト表示 36 / 40 / 72 / 80桁 × 20 / 25行
サウンド BEEP音(周波数固定)
BASIC N-BASIC (Microsoft 24K BASIC)

さて、PC-8001の専用カラーディスプレイは、パソコン本体よりも値段が高かった為…。

一般の人は、家庭用テレビに接続するためのRFアダプタを使用するしかなかったのです。その為、細かな文字を表示するモードだと、文字が滲んで字が読めなかったのは悲しかったですね。

今では中古の液晶VGAディスプレイで良ければ、二束三文で手に入る時代ですので、実に良い時代になったものです。

さて、PC-8001のメモリ増設は、今のパソコンの様に簡単ではありませんでした。

メモリのICを、そのままICソケットに挿入する方式だったのです。

筆者はPC-8001のメモリ交換を行おうとして、うっかりICの足を折ってしまった事がありました。悲惨ですねー!(その後、慎重に折れた足を直して、なんとか事無きを得た)

PC-8001は、電源を投入すると、内蔵のN-BASICが起動するのが大きな特徴でした。

「BASIC」とは、「Beginner’s All-purpose Symbolic Instruction Code(初心者向け汎用記号命令コード)」の頭文字です。

ユーザーが誰でも、自由にプログラミングを楽しめる様に、初めからBASICを搭載していたのです。

その後、PC-8001シリーズは、たくさんの機種が発売されました。

PC-8001は、パソコン黎明期に爆発的な人気を博した、不朽の名機として今でも燦然と輝いているのです…。

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