「米VSサウジ」気をもむ原油市場 サウジ報復で“油価暴騰”の恐れも

【ワシントン=塩原永久】サウジアラビアの反体制ジャーナリストが行方不明になった事件が米国とサウジの外交摩擦に発展し、原油市場の関係者らが神経をとがらせている。米国がサウジ制裁の可能性を示唆する一方、産油国サウジは原油供給を減少させる対抗策をにおわせ、事態の展開によって原油価格急騰の恐れもぬぐえないためだ。

 

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は19日、「(事件が)制裁につながり原油市場に影響が及ぶかが問題だ」と指摘。「進展をできるだけ注視する」と話した。ロイター通信が報じた。米連邦準備制度理事会(FRB)幹部が同問題に言及したのは初めて。

18日のニューヨーク先物市場で米産標準油種(WTI)は1バレル=70ドルを割り込み、約1カ月ぶりの安値となった。ムニューシン米財務長官がサウジの重要な国際会議出席を見送ると伝わり、相場の重しとなった。

市場関係者がカショギ氏の問題に目を向けるのは、サウジが原油相場に多大な影響を与える産油国だからだ。サウジ政府に近いとされる中東メディアの幹部が、自身の意見記事で「油価が100ドル、200ドルに跳ね上がるのも排除できない」と指摘。サウジ側が原油供給を急減させ、相場を引き上げる報復を示唆したと市場に受け止められた。

米政権は来月、再開するイラン制裁の一環として、イラン産原油の輸出を禁止する。供給不安から今月初めまで原油相場は4年ぶりの高水準となり、トランプ大統領は、ガソリン価格に跳ね返る相場上昇を牽制(けんせい)する発言を繰り返してきた。

サウジが実際に油価を暴騰させれば自国経済にも悪影響が及び、対米報復は困難との見方があるが、原油相場が今後、米サウジ関係のあおりで神経質な展開となる局面もありそうだ。

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