AmazonやGoogleら世界を支配する米国5強が消費者を不幸にする

Google、Amazon、Facebook、Apple(GAFA)などの米巨大企業の名前は、今や私たちの生活の至るところで目にするようになりました。便利なサービスを提供してくれる一方で、その存在に危機感を抱いている識者も多くいます。ニューヨーク大学経営大学院(MBA)のスコット・ ギャロウェイ教授は「一部の企業が強大な力を持ってしまうと、健全な競争が行われなくなり消費者を不幸にする」と主張。この意見に対して、メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的プログラマーの中島聡さんは、一体どのように感じたのでしょうか。

Google、Amazon、Facebook、Appleは分割されるべきか

Business Insiderは金融や経済のニュースを中心に配信しているネット専門のメディア会社で、私も記事を読ませていただいていますが、そこが開催するIGNITIONというカンファレンスで、NYU Stern School of Business(ニューヨーク大学経営大学院)のスコット・ ギャロウェイ教授が、とても面白い講演をしたので紹介します。

● Scott Galloway Says Amazon, Apple, Facebook, And Google should be broken up

彼は大学では、ブランド戦略などを教えていますが、彼が問題視しているのはテックジャイアントと呼ばれる、Google、Amazon、Facebook、Appleの4社(もしくはMicrosoftを含めた5社)の大きさです。

Amazonは、米国の小売業界全体に致命的とも言える変化をもたらし、過去11年間の小売業の成長率を見ると、Amazonの一人勝ちであることがよく分かります。

Appleの携帯電話市場でのマーケットシェアは20%程度ですが、利益に関してはほぼ独り占めしています。

FacebookGoogleデジタルマーケティング業界で絶大な力を持ち、その成長のすべてを2社で占めています

この状態は、全く健全ではないとギャロウェイ教授は指摘します。ごく一握りの企業が市場で強大な力を持ってしまうと、健全な競争が行われなくなるため、損をするのは消費者だと彼は主張します。

そして最後には、(社会主義者だという批判を跳ね除ける意味を込めて)健全な資本主義のためにも彼らを分割すべきだ、と主張します。

私は、基本的には自由競争が好きで、独占禁止法は「独占状態を加速する買収」と「独占的な立場を利用して競争相手を排除する行動」の規制にのみ適用すべきだと考えています。単に独占的立場に立った企業を、その大きさゆえに分割するのは賛成できません。

その意味では、Amazonからaws(アマゾンウェブサービス、米Amazon.comが提供するクラウドサービス)を切り離すというのはかなり強引に思えます。そんなことをするぐらいならば、Whole Foodsの買収を止めるべきだったし、噂されているNordstromの買収も止めるべきです。

Appleに関して言えば、Androidとの十分な競争があるので、分割する意味はないと思います。下手にiTunesだけ分割したら、Androidの独占を許してしまうことになると思います。

Facebookに関して言えば、Instagramの買収までは良かったと思いますが、WhatsAppの買収を許したのは失敗でした。Facebookは今後も、様々な会社を買収しようとするでしょうが、今後はもっと厳しい目で見るべきだと思います。

Googleに関して言えば、やはり検索結果を自社のビジネスに有利なようにしたことに関しては、もっと厳しい措置をしても良かったと思います。今後もこの傾向が続くのであれば、なんらかの措置をすべきだと思いますが、それはYoutubeの分社化のようなものではなく、検索ビジネスそのものになんらかの制約を施すものでなくてはいけないと私は思います。

いずれにせよ、これらの企業はすでに市場の健全な成長を脅かすまでに大きくなってしまったことは確かで、Galloway教授に限らず、分割とか制裁の話は今後ますます増えて行くと思います。簡単に答えが出せる話ではありませんが、今の社会を健全な形で発展させていくには、とても重要なトピックです。

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