無料公開:オウム真理教事件を描いたノンフィクション「A3」

 オウム真理教事件を描いたノンフィクション小説「A3」(集英社インターナショナル刊)を、作者の森達也さんがnoteで無料公開した。書籍版は「現在も版を重ねている」(森さんのnoteより)状態で、異例の無料公開だが「一人でも多くの人に読んでほしい」との思いから、森さん自身が版元に相談して無料公開を実現したという。

 A3は、オウム真理教事件を探り、日本社会の深層に迫るノンフィクション作品。森さんが監督として撮影した、オウム真理教の内部に迫った映画「A」「A2」に続く作品として、「月刊PLAYBOY」の連載を書籍化したもので、2010年に発行され、11年に講談社ノンフィクション賞を受賞。12年に集英社から単行本化された。

 刊行から10年近く経つが、森さんは「特にオウムについては、昨年の13人死刑執行も含めて、世に問いたいこと、言いたいこと、伝えたいことが、ずっと自身の内側で飽和している」状態で、その思いを伝えるうえで「A3」は最も重要な作品であるため、「一人でも多くの人に読んでほしい。もっと多くの人に知ってほしい。もっともっと気づいてほしい」という思いを抱えてきたという。

 このため、書籍を担当した集英社インターナショナルと集英社にA3の無料公開について相談。「現在も版を重ねているのに無料公開など前例がないし、版元としても了解できるはずがない。そう答えられることは半ば覚悟していたが、二人は快諾してくれた」という。イラストレーターや文庫本の解説の筆者にも了解を取り、無料公開が実現した。

 noteでは、プロローグからエピローグ、解説まで全編を公開しており、誰でも無料で読める。

オウム事件とは(wiki参照)

オウム真理教の教祖である麻原彰晃(松本智津夫)が、宗教を隠れ蓑に日本を乗っ取って、自らその王として君臨することを空想し、それを現実化する過程で、世界各国での軍事訓練や軍事ヘリの調達、自動小銃の密造や化学兵器の生産を行い武装化し、教団と敵対する人物の殺害や無差別テロを実行した。世界史的に見ても、アルカイダやISILによるテロを先取りした事件である。

一連の事件で29人が死亡し(殺人26名、逮捕監禁致死1名、殺人未遂2名)負傷者は6000人を超えた。教団内でも判明しているだけでも5名が殺害され、死者・行方不明者は30名を超える。被害者の数や社会に与えた影響や裁判での複数の教団幹部への厳罰判決などから、「日本犯罪史において最悪の凶悪事件」とされている。

特に注目される事件として、教団と対立する弁護士とその家族を殺害した1989年11月の坂本堤弁護士一家殺害事件、教団松本支部立ち退きを求める訴訟を担当する判事の殺害を目的としてサリンを散布し計7人の死者と数百人の負傷者を出した1994年6月27日の松本サリン事件、教団への捜査の攪乱と東京首都圏の混乱を目的に5輌の地下鉄車輌にサリンを散布して計12人の死者と数千人の負傷者を出した1995年3月20日の地下鉄サリン事件が挙げられる。多数の死傷者を出したこれら3つの事件に対して、毎日新聞では「オウム3大事件」と表現している。神奈川新聞、日刊スポーツ、スポーツ報知など他のメディアも、2018年7月のオウム死刑執行の報道では、オウム死刑囚が3大事件のどれに関与したかを報じている。

2011年12月、それまでに起訴された全ての刑事裁判が終結し、189人が起訴され、13人の死刑判決と5人の無期懲役判決が確定した。2011年12月31日には16年以上にわたり逃亡を続けてきた平田信が警視庁に出頭し、翌2012年1月1日に逮捕され、平田を匿って逃亡に協力していた元女性出家信者も同年1月10日に逮捕、両者とも起訴された。同年6月3日には同じく逃亡していた菊地直子が潜伏先で逮捕され、同月15日には同じく逃亡を続けていた高橋克也が、東京都大田区西蒲田の漫画喫茶で身柄を確保され、同日逮捕された。これで警察庁からオウム真理教事件に関する特別指名手配を受けていた3人は、すべて逮捕・起訴された(平田信は2016年1月13日に懲役9年、菊地直子は2017年12月27日に無罪が確定)。

最後のオウム事件被告である高橋克也は、最高裁まで争い2018年1月18日付で無期懲役が事実上確定。1月25日付で異議申立てが棄却、これをもってオウム事件裁判は完結。7月6日に麻原と側近の計7名の死刑が執行され、7月26日には他の側近6名の死刑が執行され、刑事上では収束となった。

日本始まって以来の民間テロ(筆者コメント)

 自己の思想にそぐわないものには、殺害を行い。多くの学識を持った日本で言うところのエリートが入信しておりバブル期からバブル崩壊期に様々な犯罪を犯した団体である。確かに、過去には革命を訴えた行動は多数あったが、オウム真理教がテロ指定になったのは、地下鉄サリン事件が原因だ。教団と何も関係のない人間も巻き込んだ大事件。しかも、この団体は軍事訓練を他国で行っており国際的にもテロ指定を受けた日本で初の組織である。
 この事件をうけて、日本の違法大手各種団体も外国より資産凍結などの制裁が始まった。以前より日本にだけ甘かった処もあるので、本来の基準に沿って制裁を加えられるようになったという見方はある。

なぜ、若者が宗教に傾倒してテロまで行ったか?

 これは、あの時代に生きてきたものにしか解らないと思うが、法律も今より甘いところが多く、グレーから多少ブラックな事をしてもセーフであった。力のある物が金を手に入れてた時代であった。学生のイジメも暴力そのもので殴り合い等平然と行われてた。弱い者は集団になり自衛していくしかなかった時代だった。正しい事よりお金と暴力が正義の時代。
 こんな時代が、この日本で存在していたんだ。この時代背景を解らずに、オウム真理教に入信した若者の事を考えると意味が解らないだろう。公務員が安月給で馬鹿にされるような時代だ。現代とは全く経済的価値観も倫理観も違うのである。
 筆者的に言えば、団体を組んで自己防衛や報復する組織に当時は身を置きたくなる時もあった。頭の良い・成績優秀な同級生が苛められてる姿も見た。一度やられると次々その下の人間がやってきて絡んでくる。殴られ蹴られの人生の始まりだ。この負の連鎖を断ち切るには、やり返すしか方法はない。
そんな、某漫画の世紀末(当時の同級生が表現)状態で生き残るために宗教に頼ったのだろう。

弱い(腕力的に)若者全て宗教に入らなかったのか?

 これは、筆者も同じだと思うのが団体行動が嫌いで、グループ行動が出来ない位友達がいてない人間で、自分のしたいことが出来ない組織に属するのも嫌いで高校以降は進路もある程度自由なのでスルー出来た。
 進学校等に入れば、凶暴な相手から離れることが出来る。結局のところ自分自身で道を見つけれなかった若者が多く存在していた時代であった。

 半沢直樹では無いけど行きつくところ、「やられたらやり返す、倍返しだ」を実行できない人間はこのご時世でも下働きを一生するしかないのである。これをしたから成功するとは限らない。失敗すればそれ相応に報いは来る。

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